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【歷史假名遣産經抄】辛卯と德 (2011/01/05)

2011/01/05 21:51

 

 

 記者の豫想と株屋の「絶對上がります」ほど當てにならぬものはないが、卯年はウサギがピョンピョン跳ねるやうに株價が上がる年なんださうだ。確かに12年前は1年で約37%も高騰し、今年の大發會も活況を呈した。▼ウサギの靈驗あらたかだが、中國最古の部首別字書「説文解字(せつもんかいじ)」によると、卯は門柱で兩側の門を開いた形を表した字で、もともとはウサギと何の關係もなかつたんだとか。ついでながら卯の音はバウで、茨や茅(かや)の意味もあり、茂るに通じるといふ。▼今年は、十干十二支でいふと辛卯(かのとう)になるが、音讀みではシンバウとなる。辛は辛苦、辛酸を聯想させ、卯は門の内側に未處理の問題が山積してゐることであり、内憂外患の「辛抱」を強ひられる年になりさうな豫感がする。▼以上は、吉田茂ら政財界に多大な影響を與へた碩學(せきがく)・安岡正篤(まさひろ)の子息、安岡正泰氏からの受け賣りである。昭和6年生まれの正泰氏は日通でサラリーマン生活を全うした後、父の遺志をついで論語などを教へえ「安岡活学塾」を銀座で開いてゐる。▼子供向けの論語講座もあり、銀座の塾には企業人や官僚ら老若男女が集つてゐるが、政治家の姿はほとんどみかけない。首相公邸や小沢一郎邸で開かれた新年會と稱する宴會に出る時間はあつても古典を學ぶ暇なぞないといふわけだらう。▼論語には「政(まつりごと)を為すは德を以(もつ)てす(為政者は民衆の模範となる有德者でなければならない・加地伸行譯)」といふ一節がある。德がなくても財があれば、才能があれば政治はできると勘違ひしてゐる政治家がいかに多いことか。菅直人首相の事實上の議員辞職勸告に「私のことは私と國民が裁く」と居直る小沢さん、あなたのことですよ。

 

 

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