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【歷史假名遣産經抄】(2011/08/19) 柵が無い

2011/08/21 12:29

 

 

 米アリゾナ州にある大溪谷グランド・キャニオンには、轉落防止の柵がない。民主黨の小沢一郎元代表はかつて著書のなかで、この事實を例にとり、個人に自立を促す「日本改造計畫」を唱へたものだ。ただし日本では、事件や事故が起こつてから、初めて柵の有無がわかる場合が多いのではないか。▼數カ月前に燒き肉チェーン店で、ユッケを食べた客が次々に食中毒を起こし死者も出た事件では、實はユッケの材料が、加熱用の牛肉だつた。そもそも、厚生労働省の衞生基準に基づく「生食用」の牛肉が、市場にほとんど出囘つてゐない事實を、どれだけの人が知つてゐただらう。▼浜松市の天竜川で起きた、川下り船の轉覆事故では、乘客が救命胴衣を著けてゐたかどうかが焦點となった。法律では、12歳未滿の乘客に著用を義務づけてゐる。運航會社によれば、大人の安全對策として、救命クッションを備へてゐた。▼ところがその後、「暑いので置いておいていい」と、乘船前に船頭が子供に説明してゐたことも、明らかになつた。あつたはずの柵が、引き抜かれてゐたわけだ。運航會社の責任は、嚴しく問はれるべきだらう。▼柵について論議が必要な危險な場所は、われわれの身の囘りにもたくさんある。たとへば、小學生が猛スピードの自轉車で驅け抜ける歩道もそのひとつだ。歩行者に對して加害者になりうる彼らだが、轉倒して大けがを負ふ可能性だつてある。▼それなのに、道路交通法で努力義務として規定されてゐる、ヘルメットをかぶつた姿をほとんど見かけたことがない。放射能がわが子の健康に及ぼす危險性について、心配するお母さんがあれだけ多いと云ふのに、不思議でしかたがない。


 日常生活が安全・安心なものばかりになると、痛みを感じる機會がなくなり危險なものを察知する感覺が無くなる。これは危險ではないか、と云ふ想像力も缺如する。でも放射能についてはテレビやネットが危驗性を教へてくれる(例:汚染された藁を食べた牛は出荷停止)。教へてくれないものは知らない、わからない。

(hisshou)

 

カテゴリ: その他  > メモ    フォルダ: 練習帳・産經抄

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